台風12号がなぜか左に曲がる進路で西日本にやってきそう、と心配の声が上がっています。
豪雨で土砂災害からまだ回復していない広島などの被災地の今後がとても心配されるからです。
台風って一般的に、南の沖縄のほうからやってきて、北海道のほうに流れていくというイメージがありますが、どうして、台風12号は関東沖から西日本に向かってくるような進路なのでしょうか?
なぜ?いつものように右に曲がる進路をとらないのか?と不思議です。
台風12号が東から西日本に曲がる理由っていったい何なのでしょうか?
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台風12号が西日本に曲がる理由
1)二つの高気圧が台風12号の北にあるから
天気図を見ると、台風12号の上にちょうど大きな高気圧がふたつ並んでいます。

台風は自然に北に向かって進みますが、高気圧を避けて進む性質があります。
ですから、高気圧が、台風12号の進路にあって北に進めないのです。
このため、台風12号はどんどんと発達して、大きな勢力をもつ台風に育ってしまっています。
では、どうして、急に西に曲がってくるのでしょうか?
2)偏西風がふいていない!?
台風12号が左に曲がる進路で西日本にくる理由はもう一つあるようです。
それは、夏は偏西風が日本の上に吹いていないから。
夏は太平洋高気圧が強くて、偏西風がずっと上に押し上げられて、日本の上空を流れていないので、台風が、太平洋高気圧の周りを迷走するそうです。

秋に日本の近くにやってきた台風は、一般的には、沖縄のほうからなんとなく北海道のほうに進みます。
それは、日本にやってきた台風が、大陸から日本に向かって流れている偏西風という風で東に流されることが多いからです。
偏西風というのは、中国大陸から日本に向かって流れているすごく大きな風の塊なので、たとえ、台風であっても逆らえないほど大きな風なんですね。
でも、吹いているのは秋。
確かに台風は夏の終わりから秋に多くやってくるわけで、
台風は沖縄から北海道の方向に向かって動くもの。
というのも、秋には当てはまりますが、夏には当てはまらないのですね。
今回の台風12号は、夏真っ盛りの台風です。
夏は、太平洋高気圧の勢力が強いのは当たり前ですから、
台風12号が、太平洋高気圧を避けて、左に曲がる進路をとるのは、
夏の気圧配置の台風では珍しくない、ということになります。
ところが、
「観測史上、上陸した台風197個目にして初のコース」
をたどっているといわれる台風12号。
どうしてこのようなことになっているのでしょうか?
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異例中の異例の進路での台風12号上陸の理由!
それは、太平洋高気圧の位置が例年と大きく違うからです。
これまでは、太平洋高気圧が本州全体を覆っていました。
ですから、夏に発生した台風が、太平洋高気圧をよけてゆっくり進んだとしても、
日本に上陸することはあまりありませんでした。
ですが、今年は太平洋高気圧が太平洋へ大きく下がっています。

そして、大陸からの高気圧が、台風12号の西側にあります。
ちょうど日本がすっぽりと高気圧の谷間になり、
台風がはこの進路にしか、進めない状態です。
少し太平洋高気圧が大陸に向かってせり出していますから、
台風12号はググっと左に曲がる進路になっています。
残念ですが、それがちょうど、平成30年7月豪雨の被災地のある西日本を直撃することになっています。
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平成30年7月豪雨被災地の広島や岡山への影響は?
台風12号の進路が7/25の予想より、急に左に曲がってくるという予想に変わりました。
台風12号の勢力は、まったく衰えておらず、強い雨風を広島や岡山にもたらす可能性があります。
広島、岡山では、土砂崩れで、住んでいる人たちの生活しているエリアに大量の土砂が流れ込み、多くの方が亡くなりました。
まだ3週間もたっていないので、地盤がゆるい場所も多くあります。
もっとも警戒されるのは、再び土砂崩れが起きることです。
復旧を進めている地域は、強い雨風で崩れやすい地域といえます。
ですから、雨風の強さによっては、早めの非難が呼びかけらます。
特に被災地では7/29(日)の朝から夕方にかけて、最も雨が強いと予想されています。

雨が強くなってからの避難では手遅れになる場合もあります。
そのため、自治体によっては28日の夜からの避難するように呼びかけられると思われます。
豪雨の中での非難は非常に危険ですから、
天気の変化を予測して早めの非難行動が大切です。
台風12号が上陸しないことが、一番良いのですが、
台風12号の上陸は避けられそうにありません。
そして台風12号の進路も西日本に曲がってくるのは避けられないようですので、
被害を最小にする行動をとるしかないようです。
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自分で行う災害への備え
気象庁が、台風や集中豪雨から身を守るために 、自分で行う災害への備え、を公開していました。
引用しますので、よかったら参考にしてください。
家の外の備え
大雨が降る前、風が強くなる前に行いましょう。
・窓や雨戸はしっかりとカギをかけ、必要に応じて補強する。
・側溝や排水口は掃除して水はけを良くしておく。
・風で飛ばされそうな物は飛ばないよう固定したり、家の中へ格納する。家の中の備え
・非常用品の確認
懐中電灯、携帯用ラジオ(乾電池)、救急薬品、衣類、非常用食品、携帯ボンベ式コンロ、貴重品など
・室内からの安全対策
飛散防止フィルムなどを窓ガラスに貼ったり、万一の飛来物の飛び込みに備えてカーテンやブラインドをおろしておく。
・水の確保
断水に備えて飲料水を確保するほか、浴槽に水を張るなどして生活用水を確保する。避難場所の確認など
・学校や公民館など、避難場所として指定されている場所への避難経路を確認しておく。
・普段から家族で避難場所や連絡方法などを話し合っておく。
・避難するときは、持ち物を最小限にして、両手が使えるようにしておく。非常持ち出し品を用意しましょう。
以下は非常持ち出し品の一例です。
・リュックサック
・飲料水、乾パンやクラッカーなど、レトルト食品、缶詰、粉ミルク、哺乳ビンなど
・救急医薬品、常備薬、マスク、紙おむつ、生理用品
・現金(小銭も)、預金通帳など、印鑑、健康保険証など、身分証明書
・下着、タオル、寝袋、雨具、軍手、靴
・ナイフ、缶切、鍋や水筒、懐中電灯、ラジオ、電池、ロープ、マッチやライター、使い捨てのカイロ、ティッシュなど、筆記用具、ごみ袋
・防災頭巾やヘルメット、予備の眼鏡など、地図
<気象庁HPより 台風や集中豪雨から身を守るために :自分で行う災害への備え>